第6講 アナクサゴラス3

エンペドクレスとの違い

まあ、大筋ではエンペドクレスと変わりませんが、種子がたくさんある、としたところが、まず違いますね。そして、「愛と憎しみ」という、何か世俗的なものより、〔ヌース〕と言う方が、知的でかっこいいですね。…… はい、「かっこいいか、かっこ悪いか」というのは関係なかったね。「愛と憎しみ」も深そうですが……。

二元論

物質を構成する〔スペルマータ〕と、世界を構成する原理の〔ヌース〕。アナクサゴラスもまた、エンペドクレスと同じように〔二元論〕者なのですね。ただ、ヌースについては、あまり役目を与えていないので、ソクラテスは、がっかり翌オています。

んーとねー、プラトンの『パイドン』の中で、ソクラテスは、アナクサゴラスの書物をある人から紹介されるんだ。その書物には「〔ヌース〕があらゆる物を秩序付け、あらゆる物の原因になっている」と書かれている、と言うんだ。ソクラテスは〔ヌース〕に興味を持ったので、その書物を取り寄せるんだけど、〔ヌース〕が全然活躍していないので、がっかりするんだ。(プラトン著『パイドン』97c〜99d)

その書物の全文を、今読むことは、残念ながらできない。今日紹介しているものの他にも断片はあるんだけど、残っているのは全体の十分の一くらいだろうと言われています。


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