第5講 エンペドクレス2

愛と憎しみ

現実の世の中は、たくさんのものが存在しているように感じられますね。これらが存在するのは、先ほどの4つの根が、〔〕と〔憎しみ〕魔フ2つの力関係によって配合が変わり、その配合比率によって違った物質がたくさんあるように見える、と考えたんです。

愛の支配しかないときには、完全なる1つの球体だったものに、憎しみが入り込み、4つの根に分離してしまった。そして、存在するあらゆるものは、この4つの根の混合比によって、違うものが生まれるのだ。だから「無から有が生じる」のではなく「有から有が生じる」のだ。これで、エレア派に対する説得を行っているのです。

4根のうち、「土」が多く配合されたものが大地。「水」が多く配合されたものが「海」艨B「風」の配合が多いのが「空」、というわけです。4根がすべて等しく配合されると「血液」になります。我々が「生まれた」と感じるのは、この配合が行われたときなんです。我々人間も、この配合によって生まれます。男と女では、配合比が違います。どう違うんでしょうね。そこまでは知りませんメ。


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