第1講 ミレトス派4

ミレトス派

彼らはミレトス学派と呼ばれています。私の講義ではミレトス派と呼ぶことにします。2千5百年以上も後の我々は、3人が言うような物が、万物の根源でないことは知っています。しかし、数人を除いては、それは教えられたもので、自分で考えたものではありません。ミレトスに住んでいた彼らは、自分の頭で考えたんです。すごいですね。そんなに的外れではないと思います

人間も半分以上は、水分からできています。地球が水の惑星だったから生命が誕生したと考えられています。たぶん水のない火星には、生物は生存していない。空気も大切だね。有限だけど。

唯物論

彼らミレトス派は、神が創ったとか言うんではなく、「ものからものがつくられた」と考えたわけだ。「神」「霊魂」というのは無視したわけではないんだけど、「物質」があって初めて「神」「霊魂」など「観念的なもの」も生まれてきた。まず「物質」だ。こういう考え方を【唯物論(ゆいぶつろん)】というんです。【一元論(いちげんろん)】という言い方をされることもあります。これは、誤解されると困るんだけど、唯物論の一元論と唯心論の一元論は、対極の位置にあって、全然別になります。唯物論=一元論ではなくて、……。ああ、わかるね。

アテネなどのギリシア本土のポリスで、ミレトス派のようなことを言うと「神を冒涜(ぼうとく)するものだ」と言われて迫害される。ギリシア神話を信じてる市民たちだからね。ミレトスという遠く離れた植民市だから自由にものが言えたと考えられます。

哲学は、まず、自由に物が言える環境がないと育たない。ミレトスでは、アルケーを探し求めることから哲学が始まったんだ。

今日はここまで]。


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