第2講 ピュタゴラス派3

二元論

一方で、人間の魂は来世で、別の人間や他の生き物に生まれ変わると考えたんです。【輪廻転生】レですね。彼らは「精神」と「身体」は、別のものと考える【二元論】なんです。ギリシア神話と他の宗教(当時流行していたオルフェウス教)の影響を受けて、こんなことを言うんです。霊魂(プシュケー)は、罪により霊魂の墓場(セーマ)である肉体(ソーマ)に宿らなければいけないのです。そして、罪が贖(あがな)われない限り、ヤドカリのように次から次へと肉体を替えていかなければいけないのです。数学と音楽の美しい調和の世界に触れ続けることによって、人間の魂は浄化されて、肉体から解放されるのです。

コスモス(kosmos)という言葉は、「秩序」「装飾」という意味なんですが。これを「宇宙」「世界」という意味で使い出したのも、ピュタゴラスらしいということです。

ピュタゴラス派は「世界は数でできている」という世界観に代表されます。しかし、ミレトス派のように、万物の根源を「数」としたわけではないと思います。あくまで、世界を構成している統一原理として言ったんだと思います。その点で、ミレトス派とは違う。私はそう理解しています。

ピロラオス

今日の講義でも言ったように、教義をむやみやたらと外部の人間にもらしてはいけないルという秘密主義の教団なので、直接ピュタゴラスの言葉に触れることはできませんが、紀元前470年ごろに生まれたピロラオスという人物の言葉だろう、とされる断片がいくつか残っています。興味があれば、彼の言葉をさがして読んでみて下さい。早いけど、終わっておきます]。


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